高校3年生のお子さんをお持ちで、JASSO(日本学生支援機構)の貸与型奨学金を申し込もうとするとき、機関保証と人的保証のどちらかを選択する必要があります。 機関保証は保証料がかかるものの、メリットも多くあります。機関保証をお勧めしたい6つの理由をまとめました。
機関保証をおすすめする6つの理由
人間関係で揉めない
人的保証は、2人の保証人を用意する必要があります。親が連帯保証人になることに異論はないと思いますが、もう一人用意することになります。
父親と母親の二人では認められません。別生計の人である必要があります。
一般的には親(祖父母)や兄弟(叔父叔母)などが候補となるでしょう。
このように第三者にお願いする場合、どうしてもギブアンドテイクになると思います。
特に兄弟 (叔父叔母)に保証人になってもらった場合、そのお礼として兄弟の子供の保証人になってあげる必要があるでしょう。
両親にお願いすると、恩着せがましいことを言われることだってあると思います。
こういった金融関連の貸し借りは、人間関係がこじれていくことになりかねません。
機関保証の保証料率は何%?案外安い!
機関保証にする場合、毎月貸与される奨学金から一定金額の保証料が差し引かれて貸与されることになります。
よって金利〇%と明確に示されているわけではないのですが、目安を示します。
例)月額10万円を4年間に借りて、卒業後20年間で返済する場合
貸与額合計:10万円×12か月×4年=480万円
毎月差し引かれる保証料:5369円×12か月×4年=25.7万円
実際に支給される金額合計:480万円-25.7万円=454.3万円
20年間の金利:25.7万円÷454.3万円=5.66%(20年間分)
年利:5.66%÷20年=0.28%(単純年換算)
実質的な金利は何%?案外安い!
貸与利率が変動金利の場合の実質的な金利を試算します。
貸与利率(変動金利)は、0.02%ですから
借入金利(単純年換算)は
0.28%(保証料率)+0.02%(貸与利率)=0.3%
となります。
一般的な金融機関の住宅ローンよりかなり安いですよね。
繰り上げ返済すると保証料が戻ってくる!
奨学金の通常の返済期間は20年間ですが、仮に10年間で繰り上げ返済した場合
10年分の保証料が返戻されます。早く返したほうが保証料負担を小さくすることができます。
人的保証は廃止される?
報道によれば、財務省と文部科学省が2020年春にも、日本学生支援機構の貸与型奨学金の保証制度を見直す方向で検討しています。
「人的保証」がなくなり、「機関保証」に一本化される方向のようです。
最近では奨学金を返済できない若年者が多く、保証人からの返済も円滑ではないようです。
支援機構としては奨学生から回収不能になっても、機関から回収できるので回収できなくなるリスクがなくなることが理由のようです。
あとで変更できるの?
お子さんが大学生になってから機関保証を人的保証に変更することはできません。
一方で、人的保証を機関保証に変更することは可能です。
こちらの記事は、当方が調査したものであり誤りもありますので、正しくは高校やJASSOのホームページをご確認ください。